今年の二月のことですが、日本橋の小津和紙で和紙を購入してきました。
当時は改装中か何かで
仮店舗だったのですが、とても仮店舗とは
思えないほど
素敵な店内でした。
所狭しと和紙が並べられており、
誰もが想像するような
和紙はもちろんのこと、
遠目に見ると
印傳そのものかと見まがうものから、
これはもはや和紙ではなく
絵画ではなかろうかと思われるものまで、ちらり店内を見渡すだけでも和紙の奥深さに圧倒されます。
なぜ和紙が必要なのか
食器棚シート代わりに和紙を使おうと考えて足を運びました。
食器棚シートは世の中にたくさん溢れていますし、防カビ防虫処理が施されている機能的な食器棚シートもたくさんあります。
ただ、私が食器を収納するサイドボードは、
桐製であり、食器を収納しようと考えている引き出しだけは、内部が桐むき出しとなっています。
そのため、引き出しを開けるたびに桐の芳香が漂ってくるのですが、ここに防カビ防虫など機能的なシートを敷いてしまうと、桐の香りとぶつかり合ってしまうのではないかと危惧しました。特に科学的な根拠などないのですが、香りが台無しになりそうに思えました。
また、この引き出しに収納する食器類は使用頻度が高くないので、シートも短期間の使い捨てではなく、長く使えて味があればなお良しです。
そうすると、いわゆる「食器棚シート」を探しても、これに適ったものはありません。
そこで、代替物を探し始めて辿り着いたのが、和紙です。和紙なら食器棚シートに使えそうだし、何より似合いそう、まさにこれです。
なぜ小津和紙なのか
検索結果で上位にいたので選択肢に入りました。といっても、もちろんそれが全てではありません。中身がないのにごりごりSEOをかけて上位にいる以外に価値がないサイトも数多くありますので、一通り調べてから足を運びました。
小津和紙をざっと調べただけでも、自社ビル内に書道や水墨画にちぎり絵、押し花など、和紙から広がる文化を幅広く伝える教室があり、さらに実際に手漉き体験ができる工房まで備え、和紙の良さを広めようとする「姿勢」がひしひしと感じられます。もちろん、歴史もあります。ネット上でただ和紙を「売らんかな」しているサイトとは一線を画していました。
むしろ、和紙に興味がある人間なら誰もが知ってる存在だったようで、いちいち調べていたことが恥ずかしくなるくらいの歴史と伝統だったのですが、それはさておき、ここなら間違いないだろうと思って足を運び、実際間違いなかったという具合です。
和紙選び
和紙の細かい種類はわからないので、簡単に説明をうかがい、アドバイスもいただき、最後はざっくりと勘で選びました。とつぜん投げやりな感じですが、一応の通気性が確保されるくらいのほどよいごわごわ感を重視し、きめが細かく食器を置けばもう隙間など無くなるような種類は避けました。
結果、
このような感じの和紙にいたりました。
和紙を切る
和紙をカッターやハサミで切ってしまうと、切断面があまりに綺麗になってしまうため、和紙の世界観が損なわれてしまいます。
そこで、
切りたい部分に定規を当て、
そこをしっとりと湿らせて、
破るというよりは「もつれてあるものをほどくように」二つに分けます。
微調整が必要であれば、ほどいた箇所をさらに細かく小さくほどいて整えます。これで和紙の持つ世界観そのままに大きさを調節できます。
さいごに
空っぽの
サイドボードに和紙を入れると
こうなります。手前味噌ですが、やはり和には和です。
ありきたりな食器棚シートに満足できない方、和紙はいかがでしょうか。
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