そもそも紅みかんとは?
「紅みかん(べにみかん)」とは、1973年に香川県坂出市青海町(おうみちょう)にある「小原幸晴(おばらゆきはる)果樹園」で生まれた赤いみかんを指します。正式には「小原紅早生(おばらべにわせ)」と呼ばれるこの紅みかんは、「宮川早生(みやがわわせ)」という温州みかんからの突然変異、いわゆる枝変わり(えだがわり)としてこの世に生まれました。
現在では香川県以外でも紅みかんを名乗る後発品種がありますが、紅みかんという言葉を生み出したこの香川県のオリジナル品種は、贈答用の高級みかんとして非常に高い人気を誇っています。小原紅早生は「日本一紅いみかん」として認知されたことで紅みかんの代名詞にもなっているので、もちろん、農水省の地理的表示(GI)保護制度でも保護されている品種です。後発の紅みかんより価格は高めですが、当然に値段を裏切らない美味しさがあるので、お歳暮のシーズンともなるとこのように、行列をなして多くの方に買い求められています。
ご祝儀相場は2.5kgで250万円の高級みかん
この小原紅みかんの初競りは2.5kg箱入りで100万円以上になることが当たり前となっており、2019年は250万円、コロナ禍の2020年には258万円で落札されました。
初競りのご祝儀相場とはいえ、2.5kgで258万円って凄いですよね。1kgで100万円以上するみかんなんて食べたことありますか?贈答用の高級みかんとしていかに人気を博しているかがうかがえます。
小原紅みかんの美味しさの理由
小原紅みかんの美味しさの理由は、色素成分に由来する「コクの深さ」にあります。
小原紅早生みかんは「日本一赤いみかん」とも呼ばれる通り、見た目のインパクトでまず人を圧倒します。食べる前に見た目を味わうことができるくらい、果皮が濃厚な紅色をしています。愛媛県が世界に誇る「紅まどんな」もその名に「紅」を冠していますが、紅まどんなで囲うように真ん中に小原紅早生みかんを配置するとこのように、
小原紅早生みかんの赤さが際立ちます。
植物の色素成分はそのまま栄養成分でもあるので、この果皮に含まれる色素成分もコクに寄与しており、実際コク深い甘さを感じます。そのため、香川県では小原紅早生は赤ちゃんには食べさせないほうが良いと言われることもある、大人のみかんなのです。小原紅みかんから糖度の数値以上に甘みを感じると言われるのも、このコクの働きがあるからなのかもしれません。
小原紅早生みかんの三大販売所・直売所
小原紅早生みかんは香川県の坂出市で誕生しただけあって、坂出市の販売所で買うのが間違いないと言われています。中でも、以下の3つは選択肢として真っ先に考えるべき候補でしょう。
1つ目は、JA香川県の「小原紅早生みかんまつり」です(0877-47-0481 / 〒762-0017 坂出市高屋町1134-1)。
JA香川県が運営する坂出みかん共撰場では、毎年12月の第一土曜日に「小原紅早生みかんまつり」が開催されています。高性能な光センサーで選別された紅みかんは当然に糖度が約束されており、一級品の紅みかんがお手頃な価格で購入できるので、開催の二時間前から寒空のもとで並び始める人気イベントです。年に一度の1日限りのイベントなので、購入制限があるくらい人気ですし、飛ぶように売れていきます。
時間と体力に余裕があるなら、まずはこの小原紅早生みかんまつりで購入すべきでしょう。
2つ目は、「はまかいどう松山産直店」です(0877-57-3151 / 〒762-0017 香川県坂出市高屋町1131-1 )。
先ほどの「小原紅早生みかんまつり」が開催されている共撰場のすぐ隣りに、この「はまかいどう松山産直店」があります。こちらも地元坂出の果樹園さんが紅みかんを持ち寄っており、
お歳暮シーズンには朝から行列ができますが、上記の「小原紅早生みかんまつり」が開催される当日だけは、こちらの産直店はお客さんが少なくなります。やはり、お客さんは隣りの紅みかんまつりへ足を運ぶからです。
3つ目は、「青海町ブランド推進委員会」です( → https://oumi.kanamefarm.com/)。
小原紅みかんの生みの親でもある小原幸晴さん本人も参画しているグループであり、紅みかん発祥の地である香川県坂出市青海町の果樹園の方々で構成された独自のグループとなっています。それぞれがミカン狩りを開催したり、直売に応じたり、通販ではなく電話注文に対応している果樹園もあります。果樹園さんに直接うかがって農家さん本人から買うこともできるので、間には誰も介入しておらず、まさに本当の意味での「直売」と言えるでしょう。この青海町ブランド推進委員会の果樹園は、上記のはまかいどう産直店に卸していない農家さんが多いので、こちらも要チェックです。
さいごに
一般に高級みかんといえば、愛媛県の「紅まどんな」に熊本県の「デコポン」ですし、品種としてではなく地域としてブランドを確立している和歌山県の「有田みかん」に静岡県の「三ケ日みかん」なども有名です。これらは全国的な知名度も高く、実際かなり美味しいです。ただ、この紅みかんのようにみかん通しか知らないような高級みかんもまた、見逃せません。人とは違ったみかんをお探しの方にも、うってつけのみかんと言えるでしょう。
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