今の愛車を買うときに購入候補の一つだった、ブラバスのMLを見にエリートスポーツへ行ってきました。MLクラスのコンプリートカーである700馬力の「BRABUS ML-B63S-700 WIDESTAR」です。
ベンテイガより速い「世界最速のSUV」
普通に23インチを履いていましたが、違和感はありません。むしろ、似合っています。
メーターパネルはAMGのままなので320km/hまでしか刻まれていませんが、ボンネットの中ではV-MAX(最高速度)が325km/hとなっていました。アウトバーンで踏みちぎったらメーターを振り切る感じでしょうか。
最高速度が400km/hを超えるブガッティのヴェイロンやシロンのニュースを見ているとピンと来ないかもしれませんが、ベントレーのベンテイガが301km/hで「世界最速の量産SUV」と高らかに謳ってデビューしたことを考えると、そのベンテイガのデビュー前から325km/hを出していたこのSUVがどれほど特別な存在なのかが伝わるかと思います。
というか、この325km/hってこの先もそう簡単に破られることはないでしょう。車の最高速度ってのは「馬力」と「ミッション」と「重量」と「ボディ形状」で決まります。SUVの場合、最高速を狙えるボディ形状は大体同じです。BMWのX6が空力的に明らかに秀でているけれど、あれは異形のSUVなので純粋なSUVではありません。
そして、ミッションはZFの8速かベンツ謹製の9速でほぼ横並びですし、重量はどれも2トンオーバーです。となると、結局は馬力勝負になるのですが、この先700馬力を超えるSUVなんてなかなか出てこないはずです。
唯一無二のブラバスサウンド
ブラバスの大きな魅力の一つに、その唯一無二の「ブラバスサウンド」の存在があります。エンジンをかけて吹かしてもらいましたが、とにかく雄々しい。これぞ「ブラバスの音」です。
音について言葉だけで伝えるのが難しいですが、「M156エンジン」に「唸り」が掛け合わされたような、周囲を睥睨するような音です。
自動車はその音ひとつで確固たる世界観を作り出せるので、競い合うようにその時代ごとに金字塔とも言うべき珠玉のサウンドが存在します。
たとえば、レクサスLFAの天使の咆哮を開発した人は天才だと思いますし、ベンツのM156エンジンも絶品です。M156は本当にあれでよく車検に通るもんだと思います。
また、BMWのM54エンジンはあの粒の細やかな吹け上がりがたまらないですし、同じくNAで直6であるなら、M88エンジンを積んだBMW M1のProcarが911ターボを追いかけ回して最後にパスする2012年のスパ・フランコルシャンのオンボード映像は、もはや成人指定されそうなほどの没入感があります。
はたまたイタリア車であれば五代目クアトロポルテGTS、グラントゥーリズモ、グラントゥーリズモSは周りを幸せにしてくれますし、8Cのコンペティツィオーネはベースは同じエンジンなのに明らかに別物になっています。
そして、このブラバスも明らかにそこに割って入れる存在感があります。今のブラバスのブランドイメージに沿って出来上がった音なのか、あるいはあの音があるから今のブラバスのブランドイメージが出来上がったのか、一体どちらが先なのかはわかりませんが、とにかくサウンドだけでも十二分に値打ちがあります。
わかる人だけが買えばいいブラバス
少々の車好きであっても、ブラバスを知っている方はそう多くないことでしょう。価格と知名度の関係で考えれば、費用対効果は良くないどころか悪いです。
ただ、ブラバスのコンプリートカーともなれば、それを補ってあまりあるほどの車です。わかってる人間だけが手に入れれば良い車です。ブラバスのことを一切知らない人間であっても、その音を聞くだけで只者ではない車であることはすぐに理解できます。
AMGに飽きちゃったという方は、是非ブラバスのコンプリートカーを選びましょう。エリートスポーツまですぐ行けないから、メンテナンスが不安ですか? それなら心配ご無用です。ブラバスは、日本全国どこの正規ディーラーでも整備してくれますので。
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