靴ひもが切れました。
これまで靴ひもには特段のこだわりもなかったのですが、靴をパターンオーダーで作ったときに最初から付いてきたこの靴ひもは歩いているうちに結び目がすぐ緩んでほどけがちになるし、
このようにひも自体に保湿力がないと言いますか乾燥肌体質と言いますか、締まりがよくなかったので気になってはいました。
今回こうして切れてしまったことで、何か良いのはないものかと探した結果、
紗乃織靴紐(さのはたくつひも)という靴好きには評判らしいロウ引きの靴ひもに辿り着いた次第です。
上記の1パックに2本入っており、私は2パックで4本買いました。
長さについては、サイズ28cmの10穴の革靴には80cmがピッタリです。
アマゾンで注文しようかとも考えたのですが、ちょうど出かける用事があったのでアマゾンプライムナウより早く一時間以内に手に入れてやろうと勝手に勝負を挑み、
銀座の大賀靴工房で購入してきました。
何となくプライムナウには負けた気がしますが、ともかく手に入れてきました。
紗乃織靴紐の封を切って手にするとすぐ、既存の靴ひもとは全然違うことがわかります。
上が紗乃織靴紐で、下のちぎれているのがこれまでの靴ひもですが、
これまでの靴ひもと比べるとしっかり感が違い過ぎていて、これまで使っていた靴ひもがとてもちゃちく、ただのひもに思えてきます。
一方、紗乃織靴紐はひもというよりは、上質で手の込んだ縄とでも言いましょうか。
世の中にはロウ引きの靴ひもを名乗りつつも実際には安いパラフィンで代用した「なんちゃってロウ引き」の靴ひもが存在しているようですが、この紗乃織靴紐は本物の蜜蝋による本物のロウ引きです。
これまで通りに結んでも比べものにならないくらいしっかり結べますし、何と言いますか、思い通りに結べてしまいます。結ぶのが上手くなったようにすら錯覚します。
よくよく考えてみると、靴ひもの結び方というのは、本来こういうちゃんとした靴ひもで結ぶことを前提にしていたのだと痛感します。
紗乃織靴紐はどういう結び方をしてもギュッと見事にほどけない結び目が完成してしまうので、絶対にほどけないとされるベルルッティ結びをすると、「ここまでする必要もないな…」となってしまいます。
そのため、正式なベルルッティ結びではなく、
二周させない簡易的なベルルッティ結びに落ち着きました。
紗乃織靴紐で正式なベルルッティ結びをすると恐らくはトゥーマッチです。これくらいがちょうど良いでしょう。
ちなみに靴ひもを紗乃織靴紐に替えただけで、靴そのものがちょっと高級革靴に見えてしまったのは気のせいではないはずです。
さて、その辺の靴屋さんで300円か400円の適当な靴ひもを買って何ヶ月か経つとゆるゆるになってちぎれてまた買ってを重ねるよりは、1000円ちょっとの紗乃織靴紐を買ってずっと長く使えてしかも良い物の手応えを知ることができるという選択肢のほうが、結果的には安く多くを得ることができるのではないでしょうか。この靴ひもは凄く良いです。
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